タイトル_なんようの匠たち
file:16 【ソムリエ】久松 茂さん
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 数多いお酒の中で、ぶどうの種類、産地、そして生産者の明確な魅力が反映されるのがワインといえる。そのワインが織りなす味と香り、そして色彩は無数の表現となり世界の人々を魅了してやまない。
 ソムリエとは、そのワインをホテルやレストランなどで、料理やお客様の好みを考慮し、最適なワインを提案するだけでなく、ワインの入荷から品質管理、そしてお客様のシチュエーションも考慮し、快適な飲食の場を提供するための専門知識を持つスペシャリストといえる。そのワインソムリエの“匠”として山形を代表する方が、南陽市宮内在住の久松茂さんである。

テキスト画像 きっかけ ──ワインソムリエを目指したきっかけは?

「学生時代にレストランでバイトしているとき、友人が赤坂プリンスホテルのホテルマンをしていて、そのカッコ良さに憧れたんですね。大学を卒業し山形グランドホテルに入社し、憧れのホテルマンになったんです。バーに配属されてカクテルの勉強をしているとき、ワインソムリエの存在を知ったんです。勉強を始めたものの、独学では追いつかないと、仙台のソムリエスクールに自費で通い28歳で日本ソムリエ協会のソムリエとなりました。」
 当時、山形県でソムリエを取得されたのは2人目だったという。苦労話はあまりされなかったが、よくよく聞くと、腕を磨くために自己投資でフランス、イタリア、ドイツなどヨーロッパへ6回。カルフォルニアには2回ほどワイナリーを訪ねて勉強を続けたという努力家で向上心の高さがうかがえる。

ワインを見る雰囲気と違い、普段はにこやかな久松さん。
一般社団法人日本ソムリエ協会認定のシニアソムリエ資格のバッチ。

 

テキスト画像 ──南陽市のワイナリーの評価は?

「県内ワイナリー12社は全国でも3位の多さ、その中で南陽市は赤湯に4社も存在する意義は大きい。東北では最も古いワイナリーもここ南陽にあり、土壌と寒暖の差による品質の高いブドウの生産はもちろん、ワイナリー4社とも若い後継者が経営に携わり、お互いを刺激しながら魅力的なワインが作られてきている。近年の国産ワインの需要にも相まってブランド力は評価されていますね。」
 海外に比べ、まだ歴史の浅い国産ワインではあるが、近年、国際的に品質の高さは認められてきており、国内においても国産ワインだけのワインバーなども数多く出店されてきた。南陽のワインも品質が高くなっていることは久松さんも非常に評価しており、ワイナリーに出向いて直接生産者と触れ合うことができるのも南陽の良さのひとつですよと目を細める。

赤湯駅構内の駅の駅なんようでは、4社のワインを取り揃えています。
テイスティングにて外観、香り、味わいを確認する表情は真剣そのもの。

 

テキスト画像 ──今後の目標はありますか?

「県内のソムリエは20人ほど登録されており、中でも若手の成長が非常に楽しみなんです。そういった意味では、コンテストにも積極的にチャレンジしてもらいたいと思っています。その中で、我々ベテランといわれる側はどんな立ち位置で存在感を出すかが大事だと思っています。市民の皆さんに、南陽のワインの素晴らしさを知っていただくために始めた「久松ワイン塾」は5年を迎えました。少しでもワインファンが増えるとうれしいですね。」
 赤湯温泉旅館協同組合が発行した「赤湯温泉 ワインの本」は、久松さんが監修したパンフレットであるが、「甘味・苦味・軽快・旨味・酸味・重厚」などをグラフ化し、最適な飲用温度と料理との相性まで記載されている。ここまで詳細に分析し勧められるのは、やはり南陽のワインの特長を熟知しているからこそ成せる業であり、かつワインを通じて、地域の発展と消費拡大を目指している姿は、地域貢献への強い思いがそうさせているのだろうと感じられる。

グラスに合わせ、注ぎ方も調整するこだわり。
久松さんが監修した
「赤湯温泉 ワインの本」。

 

ロケ地:大浦葡萄酒

 

久松 茂(ひさまつ しげる)

南陽市宮内在住

パレスグランデール勤務
日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ
ホテルバーメンズ協会 シニアバーテンダー


【主な役職】
・全日本ソムリエ連盟 元副会長
・日本酒サービス研究会 理事
・山形県産ワイン認定委員会 審査委員長
・山形セレクション認定審査員
・山形県ソムリエ会 設立主幹
・久松ワイン塾 主幹
・国産ワインコンクール審査員
 (平成18年、20年、21年)

【タイトル】
・第2回カルフォルニアワイン
 ソムリエコンテスト 全国大会準優勝
・フランス シャンパーニュの騎士賞
・オードレ・ド・コトー・シャンパーニュ受賞

■2015年2月取材

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