タイトル_郷土の偉人

創業当時1692年は元禄5年から大正時代まで代々造り酒屋として屋号「弥右衛門」といいました。現在は、南陽市内の酒小売店の中では最も大きな酒屋「株式会社結城酒店」です。
 南陽市を走る羽州街道国道13号線から県道102号線に入り、南陽警察署の前にあるのが店名「地酒蔵ゆうき」さんです。広い店内には、ところ狭しと日本酒、ワイン、焼酎などの数々のお酒が並びます。
 そのお酒には、一つ一つ丁寧にPOPが添えられ、お客さんは読んでは手に取りを繰り返し選ぶ姿があちこちにみられます。中でもイチオシなのは、屋号とおなじ「弥右衛門」という日本酒。地元酒蔵である「東の麓」さんにお願いし、通常の本醸造酒は、酒米を70%まで磨くところを、65%まで磨いたこだわりの逸品のオリジナルブランドを造ってもらった限定品で、安くて旨いと評判です。
地酒蔵ゆうき
地酒蔵ゆうき 現在の外観
弥右衛門
地酒蔵ゆうきオリジナル
本醸造酒の弥右衛門

 

 創業当時は、造り酒屋、ワイン造りと、昭和の初めまでは作り手側のお店でした。その後、小売業として現在に至っています。結城家は、元大蔵大臣で第15代日本銀行総裁等を歴任した結城豊太郎氏の生家でもあり、前掲の「上杉の御湯 御殿守」で紹介した石岡家の長女が結城豊太郎の奥様で、赤湯小学校時代の級長と副級長の仲であったようです。現在の当主となる代表取締役社長 結城秀人さんが16代目に当たります。

 結城秀人さんに、創業から322年続いた経営や歴史について伺ってみました。


──若くして社長になられたとお聞きしましたがご苦労はありましたか? 「平成元年に酒税法の大幅改正や税制改革、そして平成4年に日本酒の級別制度も廃止となり、酒類販売も大きく変わってきたとき社長を継ぎましたが、事業転換なども行い苦労の連続でした。しかし、酒屋の原点に戻ろうと今のスタイルにしました。 今もインターネット販売や、激安店の増加など環境は変化し続けていますが、この受け継がれた300年のうちの私の苦労は、赤湯の大火で店を消失したときに比べれば、ただ乗り越えるだけの非常に小さいものです。」
昭和初期当事の写真
昭和初期当時の様子
戦後の店舗の様子
戦後の店舗の様子

 

──お店づくりでこだわっているところはありますか? 「マネーパワーを使うのではなくマンパワーを使うことを念頭に入れ、どうやって売るかを考えるのではなく、どう楽しんでもらうかが重要です。店内の商品ディスプレイも、POPも自分の言葉で伝え、その情報から、蔵元や生産者に足が向くようにしたいと考えています。」

──南陽という地での経営をしていく方針や特徴などあれば教えてください。 「商談会で仕入れることはせず、蔵元やワイナリーに足を運んで、作り手の哲学や、自己表現できるこだわりの逸品を大事にして仕入れるようにしています。売るのではなく作り手の語り部にならなければならないという思いでいます。
酒屋ですが、小売業として産品を揃えて、南陽そして置賜の食文化のコーディネーターとして地域の発展に繋がればいいですね。」


結城さんご夫妻
16代社長と奥様
商品ディスプレイやPOPにも
こだわりが垣間見える

 

 小さいころから家には『敬天愛人』という言葉が掲げてあったという結城社長。『敬天愛人』とは、西郷隆盛が生涯信条とした言葉で、文字通り“天を敬い人を愛する”ということですが、常に公明正大な精神と、謙虚な心で仕事も人も愛すというその信念が、結城家では脈々と受け継がれているとインタビューをして感じました。
 自分の座右の銘は『修己治人』と話し、人の上に立つ者は、まず己の人格を磨くという教え通りの人柄で、かつ、優れた人でなくとも時代を代々受け継いで次世代へバトンタッチできる人でありたいと非常に謙虚でありながら、地域貢献にも活力を注ぐパワーの持ち主です。

 インタビューの中で、結城社長はこんなことを話してくれました。

 Destiny(運命)⇔Destination(目的)⇔District(地域)

 つまり、家族や伴侶を育む運命は、地域の生存と更なる発展となる「地域共創」であるということです。


 

 店づくりのこだわりは、財団法人食品流通構造改善促進機構が主催する『第20回優良経営食料品小売店等全国コンクール』で日本経済新聞社社長賞を受賞されたことでもわかります。楽しい売り場づくりと確かな商品の品揃え、そしてオリジナル品の開発などの評価は高く、その理由としてついつい店内に長居してしまうほど居心地がよく、何度行っても飽きさせません。これも結城社長の創意工夫力の高さが成せる技です。
 これからもこの南陽の継続企業として私達を楽しませてくれるでしょう。
日本経済新聞社社長賞の
賞状と盾

 

店内には厳選して仕入れたお酒がところ狭しと並びます

地酒蔵 ゆうき(株式会社結城酒店)

〒999-2221 山形県南陽市椚塚1605-4

TEL:0238-43-6333

http://www.sakenosato.com/

■2014年3月掲載

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