タイトル_郷土の偉人

南陽の春を守る
“保存会”の活動を
捜索せよ!

鮮やかな桜が一面を飾る南陽市赤湯の烏帽子山。その桜を守る人々がいると聞いた二匹は、今回も喜んで捜索に向かったのである!

1
「名所を枯らすな!」の思いが発足のきっかけ
  • 「へっくしょい!もうすぐ春だというのに、まだまだ寒いね〜」
  • 「だから、今日は待ち遠しい春にむけてがんばっている人を訪ねに来たんだ」
  • 「ここのお宅?春に向けて、いったい何をがんばっているの?」
  • 「南陽の春の風物詩、桜!烏帽子山千本桜保存会会長のお宅なんだよ」

 南陽市赤湯の烏帽子山には約千本を数える桜の木が植えられており、毎年春になると満開の花を咲かせ、訪れた人々を楽しませている。しかし膨大な数に加え百年以上を経過した古木も多く、かつてはその維持管理が行きわたらず枯れる寸前のものもあったそうだ。
 そんな現状を憂いた地域の有志によって平成2年に発足したのが「烏帽子山千本桜保存会」。発足の前年に、日本さくらの会によって「日本のさくら名所100選」に選ばれたことも会員の気運を高め、発足当初から増殖運動や不抜運動など積極的な活動をおこなった。
 それから23年。現在は二代目会長である柴田正夫さんを先頭に、枝の剪定や肥料散布などを中心とした保存活動を継続している。

もとは体育教諭であったという柴田会長。
穏やかな笑顔が印象的な方だった。。
柴田会長お気に入りの一枚。
自宅からの眺めも最高だという。
発足当初は86名だった会員も、現在は147名。
着実に支援者を増やしているんだ!
2
咲かない季節が管理の要
  • 「保存会の活動って、実際にはいつ頃、何をするのかなあ?」
  • 「柴田会長によると、花のない時期ほど保存会の活動は大変なんだって!」
  • 「ええっ、どうして?」
  • 「素敵な花が咲くためには、地道な努力が必要なのさ」

 保存会のおもな作業のひとつに肥料散布がある。肥料は生肥や顆粒などを季節や木々の状態を見極めて個別に散布しなければならず、たえず烏帽子山の桜を見続けていないと難しい作業なのだそうだ。また、ほかにも重要なのが冬季の樹木管理。深く積もった雪は、溶ける際に埋まっていた枝を引っ張り、折ってしまう。それを避けるため、カンジキを履いて手作業で枝を掘りおこさなければいけない。また、冬にはつぼみを食べてしまう害鳥「ウソ」の防除もおこなわれる。このような年間を通しての細かな維持管理があってこそ、南陽市の春は彩られるのだ。

施肥作業。季節や木々に応じて
量や種類を使い分ける苦労の多い作業。
整枝作業。細かな枝を整える事で成長を促す。
まさに縁の下の力持ち!この頑張りがあるから、毎年キレイな桜が咲くんだね!
3
広め、伝えて、やがて花は開く。
  • 「現在は置賜の5つの保存会で『置賜さくら会』も設立されているんだってさ!」
  • 「そして平成21年には『全国桜シンポジウム』が南陽で催されるまでに至ったんだ」
  • 「すごいねえ、地道な活動を続けるって、目立たないけど大切なんだねえ」
  • 「でも、保存会は維持管理だけじゃなく色々なPR活動もしているんだぞ」

 維持管理のほかにも保存会ではさまざまな活動をおこなっている。花見客が散策する際の大切な足がかりとなっている「烏帽子山公園マップ」の制作や、「桜に親近感を持ってもらおう」と、桜の名前の一般公募もおこなった。結果、現在は公園内18本の樹木に固有名詞がついている。こういった広いPR活動も保存会が担う大切な役割なのだ。
その甲斐あって、現在では他県からも多くの観光客が訪れるようになった。桜前線に合わせて全国を旅行している方から「今まで見てきた中で一番だ」と言われたときはとても嬉しかったと柴田会長は言う。たゆまぬ努力の成果が20年余の時を経て実ったのである。

保存会で作成した烏帽子山散策マップ。
保存会では毎春、
桜の苗木を市民にプレゼントしている。
こうやって今年もまた烏帽子山公園の名前が広がっていくんだね!
  • 「柴田会長いわく、開花時期以外も葉の艶や枝の立派さを褒められる事が多いんだって」
  • 「それこそ保存会の努力の結果だ!嬉しいだろうねえ」
  • 「もうすぐ春。いよいよ保存会の一年の成果が実を結ぶ……じゃなかった、花開くね!」
  • 「早く満開の桜を見たいなあ!春が待ち遠しい!」
烏帽子山千本桜保存会
害虫コスカシバの駆除作業。
虫も鳥も、桜にとっては大敵なのだ。
朝方の烏帽子山の桜。
普段とは違う不思議な魅力がある。
まもなく春を迎えると烏帽子山は桜の競演で彩られる。
保存会では設立10年目と20年目に記念誌を発刊。
その歴史を振り返るこ事ができる。
青空の下で見事に咲き誇る烏帽子山の桜。
今はまだ雪帽子の烏帽子山を背景に一枚。
まだまだ雪深い南陽だけど、春の訪れが楽しみだね!

捜索完了!!
烏帽子山公園(えぼしやまこうえん)
住所:山形県南陽市赤湯1415(烏帽子山八幡宮)
TEL:0238-40-2002(南陽市観光協会)
アクセス:赤湯駅から車で10分
東北中央自動車道上山ICから車で40分

■2013年1月取材
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