タイトル_郷土の偉人

昔なつかしの
“味噌餅”
を捜索せよ!

南陽市砂塚に、昔ながらの郷土の味を作っている農家がある……。何とも美味しそうな噂をゲットした二匹は、今回も喜んで捜索に向かったのである!

1
知られざる置賜地方のソウルフード!
  • 「うわあ、田んぼは一面の銀世界。冬まっさかりだ〜」
  • 「このあたりに置賜地方の郷土食、味噌餅を作る農園があると聞いたんだけれど」
  • 「あ、しまさき農園って看板があるね。中からは美味しそうな味噌のにおいが……」
  • 「ここに間違いない、おじゃましま〜す」

 農作地帯として知られる砂塚地区にある「しまさき農園」。コシヒカリをはじめとする県産米のほか、さくらんぼやラ・フランスなどを手がけている。
 このしまさき農園で2年前から販売を始めたのが、置賜地方で昔から食べられている「味噌餅」。餅をつく際に味噌を混ぜ、アクセントに大豆や胡桃、胡麻などを入れて作られるソウルフードである。ゆべしに似た味わいで、子供のおやつ等として今なお愛されている。
 農園の後継者である島崎真人さんは、奥様が調理師免許を持っていたことを契機に「農家ならではのコメを活かした加工品を作りたい」と販売をスタートさせた。

自然豊かな平野部にある「しまさき農園」
お話くださった島崎真人さん。
地域と農業を熱く語る好青年。
もともと各家々で作っていた味噌餅は
味も千差万別、まさしくおふくろの味なんだ!
2
「自家製にこだわる、その理由は……
  • 「ストーブの上に乗せてもらったお餅が膨らんできたよ!」
  • 「どれ、いただきます……美味しい!優しい甘さだね!」
  • 「中に入ってる豆の香ばしさもたまらないねえ!」
  • 「これはクセになる、ついつい食べ過ぎちゃいそうだなあ」

 しまざき農園の味噌餅はやや甘めの味が特徴。色々な人に試食してもらいながら、甘さの加減や切り方を試行錯誤して今の味に辿り着いたという。そこには「なるべく多くの人に、美味しく、懐かしく食べてほしい」という思いがこめられているとは真人さんの台詞。また、一部の食材をのぞき餅米に味噌、豆などはすべて自家製。豆は古くなると味が変わるため、必ず新豆を使うなど細やかな部分へのこだわりも垣間見える。
 現在は年間500食ほどの味噌餅や玄米餅を、地元の直売所や仙台市にある南陽市のアンテナショップへ卸している。なかには贈答品として味噌餅を貰い、美味しさに惹かれてわざわざ農園を探し連絡してくる人もいるそうだ。

しまさき農園の味噌餅。素朴な味にはファンも多い。
ぷっくり膨らんだ味噌餅。
甘い香りが部屋中に広がった。
素朴で飽きのこない味だからこそ、ささやかなこだわりが大切なんだね!
3
ささやかに作り続ける事の大切さ
  • 「これは売れる!ぜひともたくさん作って全国展開しよう!」
  • 「いや、それは出来ないんだよ」
  • 「ええ、なんで〜!?」
  • 「そこにもちゃんとした理由があるんだよ」

 現在、奥さまとの二人三脚で味噌餅を生産している真人さん。「より多くの人に食べてもらえるよう、加工所を大きくしたりしないんですか」と訊ねたところ、「大量生産はできないんですよ」との答えが返ってきた。自家製の味噌と大豆を使っているため数に限度があるのと、地元に長らく愛されてきた食べ物だからこそどこでも手に入るものにはしたくないというのが、その理由。また、農家らしく自分たちで栽培したものを自らの手で加工する事にこだわっていきたいとも、真人さんは語っていた。
「小さい頃はおやつに出ると、また味噌餅かよなんて嫌がっていたのに。今じゃそれを作っているんだから不思議なもんです」と真人さんは微笑む。その朗らかな笑顔の裏には、故郷である南陽への愛情、そしてそんな地が育んだソウルフードと、それを生み出す農業への誇りがあらわれていた。

自家製の味噌。島崎家でなければ作れない。
レンジでも加熱できるが
ストーブなどで焼くと香ばしさも楽しめる。
取材中に奥さまとのツーショットをパチリ。
ストーブで焼いて香りと雰囲気を楽しむのが通な食べ方っ☆
  • 「なるほど、南陽が好きだからこそ出来る決断だよね」
  • 「食べたくなったら南陽に来てほしい、ってのもなかなか素敵な考えだよ」
  • 「貴重な味噌餅、この機会に食いだめしちゃおうっと! モグモグ……うっ、水、水!」
  • 「まったく、欲張るからだ。ゆっくり味わってこその味噌餅だよ!」
しまさき農園
餅加工場を作る際に命名した「お米処 新や」。
かなり大きめの圧力鍋
美味しい餅を蒸かすためには欠かせない。
味噌餅の製作工程を写した一枚。
ほぼ全てが手作業で行われる。
自家製の味噌樽。
数は多くないが「確かな」味の熟成を進める。
味噌餅と並んで人気なのが玄米餅。
シンプルかつ深みのある味が好評だ。
部屋に飾られた真人さん一家が写ったカレンダー。
少し昔のものだが、島崎家の絆が感じられ、
和やかな気持ちになる。
自家製ならではの様々な工夫が
味噌餅の魅力を底上げするんだ!

捜索完了!!
★しまさき農園(しまさきのうえん)
問い合わせ:山形県砂塚1983-1
TEL・FAX:ともに0238-47-5521
アクセス:
 赤湯駅から車で15分
 東北中央自動車道上山ICから車で60分
■2012年12月取材
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